これはあくまでも
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LastUpdate 2006/5/28
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■出会い
耐震改修工事との出会いは、1978年の宮城県沖地震後に、建築雑誌
「日経アーキテクチャー」の表紙に載った仙台市の東北工業大学の画像です。
当時、関係者の間では、「バッテン(×)大学」と呼ばれていたようですが、
「こんなにひどかったのか」と衝撃的な画像でした。だから表紙になったのでしょう。
後に、この改修設計を担当された川股・大沼両先生の研究資料は建築学会で、
公開されたと記憶しています。他の分野で協力された先生方もおられたと思います。
■耐震補強改修の考え方
前項の補強設計では、H型鋼によるブレースでの補強が採用されました。
その補強理念は、強いだけではなく、微妙な段階で破断するように、H型鋼の
ウェブ部分に穴が開いていて、各階で異なる断面欠損となっています。
また、その穴は、雨水処理の働きもするとお聞きしました。
最近、いろいろな講習会で、講師の先生方が、「これが私の業績です」と、
数多い改修工事の現場のスライド(パワーポイントによる)を見せてくれます。
そのたび、私は、レベルの低い方法だな、と感じます。
研究段階では、1978年の時点とは比べものにならないほどの、レベルに達して
いる事と想像は出来ますが、私達の現場レベルへは、その情報は届きません。
したがって、たとえば、銀行の耐震補強の設計図などを見ても、レベルは低いです。
■住宅の耐震改修工事
私の自宅へも休日や夜間に「そろそろ外壁を取り替えた方が・・・」とか、
「無料で屋根の点検をしますから・・・」とか、「近くで工事をしているので安く・・・」
などという口実で、リフォームにつなげようという「営業マン」がまわってきます。
このようなリフォームの営業マンは、「まだ考えていませんので」と言った理由で
お断りするのが比較的楽ですね。
そこで考えられたのが、「無料で耐震診断をします」という手口だと思います。
「耐震」は、マスコミでは、「ニュース」が無い場合の貴重なネタになっていますし、
自分たちが取り上げておいて(一種の宣伝)、「こんなひどい工事例もある」と、
無責任な、自作自演を【思わせる】報道をたれ流している、という感じの内容です。
たとえば、ご自分がお住まいの住宅が、どのような土地(地盤)に建っているか
ご存じですか? 私の家は、もと駐車場ですが、地域のお年寄りに聞くと、
それより以前には池があったそうです。
自分で周辺の地勢を見ても、昔は一帯が田んぼであったと思われます。
これで、基礎もいじらず、屋根を葺き替え、外壁を補強しても、地震時の崩壊は
防げないでしょう。 また、その費用もありません。
■耐震補強の責任
地盤改良をした場合には、損害保険会社が10年の保証をしてくれる制度が
あります。これは、地盤に関してだけです。
改修基準も、事実上、「財団法人 日本建築防災協会」が決めています。
耐震診断と同様、ここでも、規準を作っているだけで、責任は取りません。
規準に頼って設計した建築士が責任を取り、建築士法により、裁かれます。
■結論
こんな割りの悪い仕事は無いですね。 だから、これもやりたくありません。
別の項にしますが「設計料は妥当なの?」という事を言われた経験があります。
冗談じゃありません、責任だけ取らされ、技術料も頂いてはいません。
■実際はどうなのか
耐震診断の項でも書きましたが、対象となる建物を建てた職人さんや大工さん達は、
少なくとも、今の業者よりは、建物を知り、地震を知って建てていたと、私は思います。
最近いわれている、「床倍率を上げないと、耐震壁は有効に効力を発揮できない」
という点だけに注目し、補強すれば十分である、という考えでいます。
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