耐震診断&耐震補強改修



これはあくまでも
個人的な意見です

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LastUpdate 2006/5/28

   4.お問い合わせ−−−耐震診断業者等

 ■大前提
  ここでは、無料か格安の料金で耐震診断してくれる業者・団体をまとめておきます。

  ただし、この「耐震診断&耐震改修工事」のあちこちに書いてあるとおり、
  耐震診断は、無料で出来るような業務ではありません。
  専門知識が必要な上に、責任を伴う業務です。

  その業務を、無料か格安の料金でやってくれるという事は、普通に考えれば、
  「裏の事情」がある、と私は思います。

  最近の新聞折り込みチラシで「慣れれば誰にでも出来る、簡単な仕事」という、
  耐震診断の担当者の募集がありました。普通のおばさんでも可だそうです。
  やはり、私が日常感じている通り、一級建築士の仕事ではないのでしょう。
  専用ソフトの使い方さえ分かれば、結果は出ますが、責任はとれますかね。

 ■おすすめの利用の仕方
  安いのですから、これらの組織を使わない手はありませんね。
  
<<ただし、十分に注意して下さい。>>
  建築業界で「善意の人」が、「お金が欲しい」人より多いとは、私は思いません。

  安い料金の団体に依頼する際は、本当にその料金だけか確認して下さい。
  天井裏から、床下まで調べ、一社は簡易の「地盤調査」までやるそうです。

  こういった、本当かどうかは別にして、「社会に奉仕する団体」に調査してもらい、
  ご自宅の現状をよく把握した上で、私のような「耐震診断士」に耐震診断を依頼
  されれば、その診断士が本物かどうか分かりますし、診断業務も簡単に済みます。

 ■安いと自称している業者・団体
  本当は、営業妨害などの理由で損害賠償の請求が考えられますので、
  たとえば「耐震」を「大身」のように「わざと誤記」して、逃げたいところですが、
  似たような名称があり、探すのに苦労すると思いますので、正式名称で書きます。

  ただし、私はこれらの業者・団体を信じてはいませんので、リンクしないでおきます。
  詐欺などにつながる【可能性】のある業者・団体を紹介するのは、その片棒を担ぐ事
  になるのじゃないか、と悩みながら書いている、私の気持ちは理解されるのでしょうか。
  もっとも、これが正解という対処方法がない時点では、詐欺とはならないでしょうね。
  ここを参考に、ご自分で検索し、探して下さい。

  なお、以下の業者は、新聞折り込みチラシなどで、公に広報している組織です。
  また、そのチラシや勧誘の郵便物などをもとに、まとめました。
  国土交通省の許可を得ている団体かどうかは調べていません。
  (本来、国土交通省がこういった団体の信用度を公表すべきだと、私は考えます)

 ■やっと本題のリスト
 ・日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)−−−診断料無料
  最近、知り合いの工務店が加入しました。講習会の後、試験があって、入会できた
  そうです。3人出席して、3人とも合格したとの事で、不合格者はいたのですかと
  聞いたところ、分からないそうです。ちなみに「90万円の促販セットを購入した?」と
  聞いたところ、「何で知ってるんですか?」とのことでした。知らずに入会したようです。

  組合のチラシによると、要改修住宅1150万棟の内、同組合に診断を依頼したのが、
  1%の11万7千棟。その内、改修工事をしたのが25%。1棟あたり200万円とすると、
  加盟企業数935社より、117000×0.25×200÷935=6250万円/1社。
  棟数でみると、117000×0.25÷935=31棟/1社。 特別な営業をしなくても、
  無料耐震診断で、仕事が出来るかも知れないなら、加盟する価値はあるのか。

 ・消費者住宅生活協同組合(住宅コープ、CO-OP)−−−診断料無料
  図面を作成し、小屋裏を調査し、1階床下を調査し、簡易地盤調査をし、診断する。
  これで、無料だそうです。 これが本当なら、ずいぶんお得な組合ですけど、
  簡易地盤調査の求人広告で、1日8千円、とありますので、経費はどうするのか。
  また、もっとも必要と思われる、1階の天井裏の火打ち材の調査が抜けています。

 ・NPO法人 日本住宅性能調査協会−−−診断費1万円
  NPO法人って何でしょう。法人税が安くなるとか、恩恵があるのでしょうか。
  現地調査をし、HOUSE-DOCで診断し、耐震計画の提案までしてくれるそうです。
  (私の使っている診断ソフトもHOUSE-DOCです)

 ■私の提案
  こういう団体があるのなら、行政は、なにも忙しい建築士を「診断士」としないで、
  これらの団体と手を取り合って、少しでも地震に対して安全な住宅を増やすように
  努力すべきではないでしょうか。

  耐震診断の助成金1戸あたり4万円の費用で、4戸の耐震診断が出来ますし、
  耐震改修の設計助成金1戸あたり10万円で、10戸の補強設計が出来ます。
  各行政とも財政難の折、ありがたい話ではありませんか?

  そうすれば、私のような「ひねくれ者」が心配しなくても、住宅の所有者が安心できる
  耐震改修工事の環境が整うのではないか、と考えます。