耐震診断&耐震補強改修



これはあくまでも
個人的な意見です

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LastUpdate 2006/5/28

   2.耐震診断−−−本当に必要か

 ■前項の結論より(順番に読んでおられない方のために再掲)
  診断をした建築士だけが、法律により裁かれるという割に合わないボランティア。
  必然的に、「倒壊の危険がある」という結果にした方が、責任回避が出来ます。

 ■自己診断の変遷
  「誰でもできるわが家の耐震診断」というリーフレット(案内ですね)をご存じですか?
  行政の補助金をいただきたい場合は、この写しが必要な自治体もあります。
  使ってみれば分かりますが、どんなに新しく、強く造ったつもりの住宅でも結果は、
  「念のため、専門家に診てもらいましょう」となるように出来ています。
  仰々しく「国土交通省住宅局の監修を得・・・」とありますが、何○億円の無駄遣い
  でしょうか? その費用の少しでも補助金に回して欲しいものです。

  この直前のものは、判断により専門家に診てもらう必要のない結果にもなりました。

 ■マンションの場合
  区分所有法により、どのマンションにも管理組合があると思います。
  耐震診断をするのか、しないのかについては、区分所有者(住人)の意見は簡単には、
  まとまらない事と思います。

  ほとんどのマンションで、「耐力不足」という結果になるように出来ている規準です。
  耐震診断の結果、「耐震補強しなければならない」という結論が出た場合、
  そのマンションの資産価値は下がると思いませんか? 余計なお世話ですね。

  修繕工事をする場合には、融資を受けるでしょうから、抵当権の筆頭者である銀行に
  知られたら、融資どころか、評価額が下がり、借り換えも出来なくなりますよね。

 ■何をしようとしているのか
  木造住宅であれ、マンションであれ、新築した時点では、法律で認められた強度が
  あったはずです。最近の「耐震偽装」は特別な例ですから考えなくてもいいです。
  それを、法律が変わったからといって、「危険な建物である」という権利はありますか?

  「国民を地震から守りたい」という面もある事は確かでしょう。
  それなら、本気で耐震補修の助成制度を行っていくべきだと思いますが、
  行政のこの分野の担当者は、なぜか素人が多いと思いませんか?

  私は、一部のご用商人ならぬ、設計事務所の集まり(特定したら身が危険です)が
  公共事業の仕事が減ったので、何か無いかと考え、一番反対の少なそうな分野の
  仕事を作ったのではないかと「勘ぐって」います。(あくまでも私の勘ぐりです)

 ■結論
  今まで、ご自分の家に何十年かお住まいになり、何度かの地震は経験されたと
  思います。その際、どうしようもないほど家がゆれましたか?
  それなら、耐震診断をし、耐震改修をする価値はあるかも知れません。
  中にはそういう家も少なからずあるでしょうから、まず耐震診断をしましょう。

 ■実際はどうなのか
  どの依頼人のご自宅に伺っても、「金物が入っていないから危険だ」とおっしゃいます。
  昭和56年以前の建物には、金物が使われていないから、と。

  それは間違った考え(業者の受け売りでしょうけれども)で、その昔、といっても
  私が生まれてからですが。住宅の建築現場には、材木があり、大工さん達が
  ノコギリやノミやカンナを使って、切ったりほったり削ったりしている姿が見られました。

  現在は、プレカットという仕組みが出来て、専門の業者が材木を切り、現場に運んで
  組み立てるだけ。そのため、複雑な継手(金物を使わなくても強くつなぐ仕組み)など
  昔の大工さんなら修行して、さまざまな継手を作れるようになってから一人前に
  なっていたものを、採用しなくなり、代わりに登場したのが、いわゆる「金物」です。

  でも、昔でも「かすがい」などは、見た事があるのじゃないでしょうか。
  それは今の建築基準法でも有効な金物として残っています。